「ニキビ跡が気になるけれど、皮膚科に行けばいいのか、美容皮膚科に行けばいいのか分からない」というご相談をよくいただきます。皮膚科に通って外用薬や抗生剤を続けても跡が変わらず、そこで初めて「これは皮膚科では治らないのでは」と気づく方も少なくありません。
結論から言うと、ニキビそのものは皮膚科(保険診療)で治療できますが、クレーターなどのニキビ跡は保険診療では治療できず、美容皮膚科での自費治療が必要になります。この記事では、両者の違いと、ニキビの段階に応じた使い分けを解説します。
目次
- 皮膚科と美容皮膚科の違い|保険診療と自由診療
- 皮膚科に通っても治らない…と感じる5つの理由
- ニキビの段階別|皮膚科と美容皮膚科の使い分け
- 美容皮膚科でのニキビ跡治療はどんなことをするのか
- 美容皮膚科を選ぶときに確認したいこと
- 皮膚科と美容皮膚科は「併用」できる
皮膚科と美容皮膚科の違い|保険診療と自由診療

皮膚科(保険診療)は、「尋常性ざ瘡」という病名がつくニキビそのものを治療する場所です。外用薬や抗生剤の内服が中心で、費用負担は1〜3割で済みます。一方、美容皮膚科(自由診療)は、ニキビ跡や肌質など「見た目」の改善を目的とし、保険が適用されない代わりに、機器治療や自費薬剤など選択肢が広がります。
ニキビ跡、特にクレーターは「病気」ではなく「瘢痕(見た目)」と位置づけられるため、保険診療では治療の対象になりません。皮膚科で「ニキビ跡はうちでは治せない」と言われるのはこのためです。
当院の院長・世良は、川崎医科大学附属病院で泌尿器科学の臨床助教を務めたのち、品川美容外科(品川本院 部長)を経て、2024年にニキビ跡治療を中心とするSERA BEAUTY CLINICを開院しました。保険診療と自由診療の両方を経験した立場から、「どちらが良い・悪い」ではなく、段階に応じた使い分けを提案しています。
皮膚科に通っても治らない…と感じる5つの理由

皮膚科で外用薬をもらって塗り続けても、慢性的なニキビや赤み、ザラつきが改善しないという方は多くいます。院長・世良は、その理由として「スキンケアが合っていない」「生活習慣」「腸内環境や栄養不足」「抗生剤・ステロイドの長期使用」「通っているだけの安心感」の5つを挙げています。
特に抗生剤は、皮膚科で処方されることの多い薬ですが、長期間飲み続けると腸内や皮膚の大切な常在菌まで減らしてしまい、かえって肌荒れしやすくなることがあります。院長自身も学生時代に多くの抗生剤を処方されましたが、効いているのか分からない状態が続いたと振り返っています。
皮膚科の治療そのものが悪いわけではありません。ただ、「塗っていれば数日で治る」ものではなく、肌のターンオーバーに合わせて3〜6ヶ月の目線で、ホームケアと生活習慣を同時に整えることが必要です。
院長がこのテーマを動画で解説しています。
ニキビの段階別|皮膚科と美容皮膚科の使い分け

ニキビができ始めた段階:皮膚科でもOK、ただし「放置しない」
おでこや鼻のポツポツとした思春期ニキビ、コメド(白ニキビ)の段階であれば、保険診療の皮膚科で外用薬を処方してもらうのも良い選択です。大切なのは、放置したり自分で潰したりしないこと。白ニキビの段階でクリニックで圧出すれば、跡になりにくく早く治ります。
炎症が強い・繰り返す段階:早めに美容皮膚科へ
膿や熱をもった赤いニキビ、フェイスラインのしこりニキビは、真皮まで炎症が及びやすく、クレーターや色素沈着の原因になります。この段階で「ニキビ1個だけ圧出してほしい」という相談でも、クリニックに来ていただいて問題ありません。顔全体に繰り返す重症のニキビには、皮脂腺を小さくするイソトレチノイン内服(日本では保険適用外)を、血液検査と2週間に1回の診察で管理しながら行う選択肢もあります。
跡が残った段階:美容皮膚科の機器治療
赤みや薄い色素沈着はホームケアとマイルドな施術で改善を目指せますが、クレーターになってしまうと自宅ケアでは持ち上がりません。クレーターは美容皮膚科での侵襲的な治療(トライフィル、キュアジェット、ポテンツァなど)が必要です。
院長がこのテーマを動画で解説しています。
Dr.世良
【治療内容】イソトレチノイン内服+2週に1回ケア+トライフィル×ポテンツァ
施術医:世良 融子(SERA BEAUTY CLINIC 院長)
@sera_beauty_clinic @dr.sera_y
症例の詳細:徳島から通院。これからクレーター治療へ。
美容皮膚科でのニキビ跡治療はどんなことをするのか




美容皮膚科でのニキビ跡治療は、クリニックによって内容が大きく異なります。当院では、院長が肌診断機で毎回肌の状態を確認し、クレーターのタイプ(アイスピック型・ボックス型・ローリング型)と肌質に合わせて、トライフィル(CO2マイクロサブシジョン)、キュアジェット(ジェット噴流による剥離)、ポテンツァ(マイクロニードルRF)を組み合わせています。
治療前にセラピールやハイドラジェントルで毛穴の汚れを落とし、治療後にエレクトロポレーションで鎮静・保湿するところまでを一連の治療とし、あわせて内服・外用のホームケアを指導しています。「クレーターだけ治したい」という場合でも、肌の汚れを落とさずに針を刺したり薬剤を入れたりすると、効果が出にくく後からニキビが増えることもあるため、前後の処置を含めて治療と考えています。
目安は月1回×4〜5回、半年以内。ダウンタイムはトライフィル+ポテンツァで赤み・むくみが5〜10日程度(個人差あり)です。
院長のInstagramでも解説しています:DR.SERA式 ニキビ痕治療診断チャート(赤み/凹凸/色素沈着/混合型)
美容皮膚科を選ぶときに確認したいこと

美容皮膚科は保険診療と違い、クリニックごとに治療内容・技術・価格が大きく異なります。院長・世良が強調しているのは、「機械の名前で選ぶのではなく、肌を診て診断し、治療を提案できる医師を選ぶ」ということです。
たとえば、同じポテンツァでも出力・針の深さ・薬剤・ショット数によって結果はまったく変わり、出力が強すぎれば火傷やくすみの原因にもなります。カウンセリングで自分の肌の状態を説明してもらえるか、質問に丁寧に答えてもらえるか、当日の契約を迫られないかといった点は、信頼できるクリニックを見極める大切なポイントです。
また、極端に安い価格で集客し、来院後に次々と追加を提案するクリニックや、カウンセラーだけで治療方針を決めて医師がほとんど診ないクリニックには注意が必要です。
皮膚科と美容皮膚科は「併用」できる

皮膚科と美容皮膚科は、どちらか一方を選ばなければならないものではありません。ニキビ以外の皮膚疾患が疑われる場合や、費用を抑えて外用薬を続けたい場合は皮膚科が適していますし、跡を残さないための早期の圧出・ピーリング、重症ニキビの内服管理、そしてニキビ跡の治療は美容皮膚科の得意分野です。
大切なのは、「ニキビ跡になる前に止める」こと。ニキビ跡、特にクレーターになってしまうと、治療には時間もコストも根気も必要になります。院長・世良は「ニキビが1個できただけでも、圧出のためにクリニックに来てもらって構わない」と伝えています。ドラッグストアに行くような感覚で、早めに相談してください。
よくある質問
Q. ニキビ跡は保険で治療できますか?
A. クレーターなどのニキビ跡は「瘢痕(見た目)」と位置づけられ、保険診療の対象外です。美容皮膚科での自費治療になります。
Q. 皮膚科でもらった塗り薬は、美容皮膚科の治療と併用できますか?
A. 併用できる場合が多いですが、治療内容によっては一時的に中止が必要なものもあります。現在使用している外用薬・内服薬は、カウンセリング時に必ずお伝えください。
Q. イソトレチノインは皮膚科で処方してもらえますか?
A. イソトレチノインは日本では保険適用外の薬のため、取り扱いのある美容皮膚科などで自費処方となります。催奇形性や肝機能への影響があるため、必ず医師の管理下(血液検査・定期診察)で内服してください。
Q. ニキビが1個だけでも美容皮膚科に行っていいですか?
A. もちろんです。炎症が強いニキビは1個でもクレーターになる可能性があるため、早めに圧出・鎮静することをおすすめしています。
まとめ
- ニキビそのものは皮膚科(保険)で治療できるが、クレーターなどのニキビ跡は保険では治療できず、美容皮膚科の自費治療が必要
- 皮膚科で治らないと感じる背景には、スキンケア・生活習慣・栄養・薬の長期使用・通院だけの安心感がある
- 白ニキビ→炎症→色素沈着→クレーターと進むほど治療に時間とコストがかかる。炎症の段階で止めることが最重要
- 美容皮膚科は、肌を診て診断・提案できる医師かどうかで選ぶ
SERA BEAUTY CLINICは、ニキビ跡治療を中心とする恵比寿の美容皮膚科です。「皮膚科で治らなかった」「ニキビ跡が残ってしまった」という方は、まずはカウンセリングで現在の状態と選択肢をご確認ください。
この記事の監修
SERA BEAUTY CLINIC 院長 世良 融子(せら ゆうこ)
2018年 川崎医科大学卒業/川崎医科大学附属病院勤務。2020年 同附属病院 泌尿器科学 臨床助教、同年 品川美容外科入職。2021年 品川美容外科 品川本院 部長。2024年 SERA BEAUTY CLINIC 院長。
所属学会:日本美容外科学会、日本抗加齢医学会、日本泌尿器科学会
主な学会発表・講演:2022年8月 第40回日本美容皮膚科学会総会・学術大会 講演「マイクロニードルRF治療機POTENZA導入後の当院での治療実績」/2023年5月 KALDAT(韓国レーザー皮膚毛髪学会)発表・パネルディスカッション
※ニキビ跡治療は自由診療(保険適用外)です。本記事で紹介する機器・医薬品には、国内で未承認のものが含まれる場合があります。効果・ダウンタイムには個人差があり、リスク・副作用については診察時に医師が説明します。