ポテンツァプライムの肝斑治療(イメージ)

ポテンツァプライムには、肝斑向けの「MLSチップ」があります。新しいシミができるのを抑えることと、今あるシミを排出されやすくすることを、1回の施術で同時に行うことを目指したチップです。ただし肝斑治療の土台は、内服・紫外線対策・摩擦を避けるスキンケアです。ポテンツァプライムは、それらと組み合わせて5〜10回ほど続ける治療として考えるのが現実的です。

この記事は、肝斑にポテンツァプライムを検討している方に向けて書いています。MLSチップの仕組み、従来のポテンツァとの違い、向く肝斑・向かないケース、治療計画の立て方を順番に説明します。施術の全体像はポテンツァプライム(恵比寿)の施術ページもあわせてご覧ください。

目次

  1. 肝斑とは?ほかのシミとの違いと主な原因
  2. なぜ肝斑にニードルRFが選択肢になるのか
  3. ポテンツァプライムのMLSチップとは
  4. 従来のポテンツァでの肝斑治療との違い
  5. 何回・どのくらいの期間?肝斑治療の計画
  6. 併用したい内服とスキンケア
  7. ポテンツァプライムが向かないケースと注意点
  8. よくある質問
  9. まとめ

肝斑とは?ほかのシミとの違いと主な原因

肝斑(かんぱん)は、両頬の高い位置などに左右対称に、もやっと広がる茶色いシミです。境界がはっきりしないのが特徴で、30〜50代の女性に多いとされています。

左右対称に、境目なく広がるという見た目は、肝斑を見分ける手がかりのひとつです。院長・世良も、トラネキサム酸を解説した動画で肝斑の出方をこう表現しています。

世良
この両側性にべちゃーっとできるものって肝斑が多いんですけど

肝斑に関わると考えられている要因

肝斑の原因はひとつではなく、いくつかの要因が重なって起こると考えられています。

  • 紫外線:メラニン(肌の色をつくる色素)をつくる細胞を刺激します。
  • 女性ホルモン:妊娠や経口避妊薬(ピル)の服用をきっかけに出たり、濃くなったりすることがあります。
  • 摩擦:洗顔やクレンジングで強くこする、マッサージをするといった刺激です。
  • 血管・真皮の要素:近年は、肝斑の部分では皮膚の浅い血管が増えていたり、表皮と真皮(表皮の下の層)の境目や真皮の環境が変化していたりすることも関わっていると考えられるようになっています。詳しい仕組みは、まだ研究が続いています。

院長・世良も、肝斑の原因は「こすったり、あと女性ホルモンの影響だったり多岐にわたる」と話しています。

ほかのシミとの違い

種類見た目の特徴治療の考え方(一般論)
肝斑両頬などに左右対称、境界がぼんやり内服・紫外線対策・摩擦を避けることが基本。刺激の強い治療で悪化することがある
老人性色素斑(日光性のシミ)境界がはっきりした茶色の斑点レーザーなどの光治療がよく選ばれる
そばかす小さな斑点が鼻や頬に散らばる光治療など
ADM(後天性真皮メラノサイトーシス)頬骨のあたりなどに、灰褐色〜青みがかった小さな斑点が集まる真皮に届くレーザーなど
炎症後色素沈着ニキビや傷・炎症のあとにできる茶色刺激を避けて経過をみることが多く、内服や外用を組み合わせる

肝斑はほかのシミと重なって出ていることも多く、見た目だけで自己判断するのは難しいものです。シミの種類は医師の診察で見極めます。

なぜ肝斑にニードルRFが選択肢になるのか

ニードルRFは、細い針を肌に刺し、針から高周波(RF)の熱を加える治療です。ポテンツァはこのニードルRFの機器です。

肝斑は「表皮のメラニン」だけの問題ではなく、真皮や血管の要素も関わっていると考えられるようになりました。ニードルRFは針で狙った深さに熱を届けられるため、表面だけでなく、肝斑に関わる深い層の環境にも働きかけられる可能性がある、と考えられています。肝斑へのニードルRFの効果を検討した研究もありますが、規模の小さいものが中心です。効果の程度には個人差があります。

一方で、肝斑は刺激に弱いシミです。強い出力のレーザーや、強すぎる熱・深すぎる針などの刺激が加わると、かえって濃くなることがあります。ニードルRFも例外ではありません。肝斑の治療では、チップ・出力・針の深さを肌の状態に合わせて、やさしく設定することが前提になります。院長・世良も、出力を適切に設定することで、肝斑や色素沈着のリスクを抑えられると話しています。

熱を強くすればそのぶん効くというわけではない点について、院長・世良はポテンツァの設定を解説する中で、こう話しています。

世良
強ければいいってもんじゃないから。強ければいいって感じだと、色素沈着をするリスクもあるしね。

肝斑の治療で出力や針の深さを控えめに設定するのは、こうしたリスクを避けるためです。ポテンツァで肝斑が悪化するケースとその対策は、ポテンツァで肝斑は悪化する?で詳しく解説しています。

ポテンツァプライムのMLSチップとは

MLSチップのイメージ
図:MLSチップのイメージ

ポテンツァプライムは、当院で2026年7月に導入した新しいポテンツァです。プライム全体で何が変わったのかはポテンツァとポテンツァプライムの違いで解説しています。ここでは肝斑向けのMLSチップに絞って説明します。

2種類の高周波を1本のチップにまとめた設計

当院の施術ページでは、MLSチップを、2種類の高周波を1本にまとめ、肌の表面と深いところの両方に同時に働きかけるチップと説明しています。

わかりやすく言い換えると、1回の照射の中で、浅い層と深い層の両方に熱を届けられるよう設計されたチップです。施術ページでは、血管が関係する肝斑は表皮から真皮の中ほどまでの比較的広い範囲に関わるとしており、その範囲に働きかけることを目指しています。

「新しいシミを作らせない」と「今あるシミを排出されやすくする」

施術ページでは、MLSチップの役割を次の2つとしています。

  1. 新しいシミを作らせない:メラニンがつくられにくい肌の環境を目指す
  2. 今あるシミを排出されやすくする:すでにあるメラニンが外へ出ていきやすい状態を目指す

表皮にあるメラニンは、肌の生まれ変わり(ターンオーバー)とともに少しずつ外へ押し出されます。ターンオーバーは表皮の細胞が入れ替わるサイクルのことで、真皮のコラーゲンが入れ替わる仕組みとは別のものです。MLSチップでメラニンがすぐに消えるわけではなく、回数を重ねながら環境を整えていくイメージです。この2つを同時に行うことを目指したのが、MLSチップの特徴です。

肝斑向けチップの種類

一般に公開されている情報では、ポテンツァプライムの肝斑向けチップにはMLS系(MLS2516など)があります。肝斑と赤みの両方を狙うVMLS系のチップもあります。

院長Instagramでは、当院のポテンツァのチップは29種類と紹介しています。どのチップを使うかは、診察で肌の状態を見て決めます。

従来のポテンツァでの肝斑治療との違い

従来のポテンツァでも、肝斑の方には、熱の出方が異なるチップを選んで治療してきました。院長・世良はポテンツァのチップを一つずつ紹介した動画で、肝斑の方向けの使い分けを次のように説明しています。

世良
やっぱり肝斑をこれ以上増やしたくないっていう人は、このSチップでやったりしますね。

院長の説明では、Sチップは針先側が絶縁され、針の真ん中あたりから熱が出るタイプのチップです。従来のポテンツァとプライムのMLSチップの違いを、施術ページの記載と一般に公開されている情報をもとに整理しました。

比較項目従来のポテンツァ(Sチップなど)ポテンツァプライム(MLSチップ)
肝斑へのアプローチ肝斑に配慮した熱の入れ方ができるチップを選んで治療肝斑向けに設計されたチップで治療
熱を届ける層チップと設定によって、狙う層を選ぶ2種類の高周波で、表面と深い層へ同時に働きかけることを目指す設計
狙い肝斑を刺激しすぎずに肌全体を整える「新しいシミを作らせない」と「今あるシミを排出されやすくする」を同時に
内服・スキンケアとの併用併用が前提併用が前提

※効果の感じ方や必要な回数は、肝斑の状態や生活習慣によって変わります。プライムにすれば従来の治療より結果が良くなる、というものではありません。肌の状態によっては、従来のチップを選ぶこともあります。

同じポテンツァでも、チップ・針の深さ・出力・薬剤・ショット数で施術内容は変わります。カウンセリングでは、どのチップをどの設定で使うのかを医師に確認してください。当院では、すべての患者様を院長が診察し、チップ・出力・針の深さ・薬剤を一人ひとりに設計します(照射は看護師が担当します)。

何回・どのくらいの期間?肝斑治療の計画

回数と間隔の目安

当院の施術ページでは、ポテンツァプライムの目安を4〜6週間に1回、3〜5回としています。そのうえで、肝斑のように改善に時間がかかる悩みは、5〜10回ほど継続すると効果を感じやすくなると記載しています。

項目目安
施術の間隔4〜6週間に1回
肝斑の回数の目安5〜10回
期間の目安(初回〜最終回)5回なら約4〜6か月、10回なら約8か月〜1年

肝斑は一度で消えるものではなく、間隔をあけて少しずつ整えていく治療です。回数・間隔の考え方はポテンツァは何回・どのくらいの間隔で受ける?でも解説しています。

治療計画の流れ(例)

時期主な内容
初診・カウンセリング医師がシミの種類を見極める。肝斑かどうか、ほかのシミが混ざっていないか、炎症がないかを確認
治療開始前後内服(トラネキサム酸など)と紫外線対策・摩擦を避けるスキンケアを始める
1〜3回目肌の反応を見ながら、出力や針の深さを調整
4回目以降経過に合わせて回数・間隔を見直す。赤みや色素沈着が出た場合は間隔をあける、設定を変えるなどを検討

肝斑は季節・紫外線量・ホルモンの変化などで濃さが変わります。治療中も、その時の肌の状態に合わせて計画を見直していきます。

通院を重ねるあいだも、肝斑の濃さを左右するのは毎日の過ごし方です。院長・世良は、クリニックでの治療だけで肌が変わるわけではないとして、次のように話しています。

世良
本当にいかにホームケア、いかに家での生活習慣も大事。

施術と並行して続けたい内服とスキンケアを、次で説明します。

併用したい内服とスキンケア

トラネキサム酸・ビタミンCの内服

ポテンツァプライムを受ける場合も、肝斑治療の土台は内服です。院長・世良は、肝斑の治療で何を優先するかについて、こう話しています。

世良
肝斑の第一選択ってもうトラネキサム酸の内服なんですね。

トラネキサム酸は、もともと止血や炎症を抑える目的で使われてきた薬です。プラスミンという物質の働きを抑えることで、メラニンをつくる細胞が活性化しにくくなると考えられており、肝斑の治療に使われています。効果を感じるまでには時間がかかり、院長・世良は「最低効果が出てくるまでに、3ヶ月は内服は必要。」と話しています。そのうえで、3か月内服したら1か月休薬し、また3か月内服するという飲み方を例に挙げています。

長く飲み続ける薬だからこそ、始める前に確認したいのが副作用です。院長・世良は、注意が必要な方を次のように挙げています。

世良
副作用で注意が必要な人は血栓症の既往がある人、ピル内服している人、妊娠中・産後、喫煙者です。

なかでも喫煙している方には、院長・世良は原則としてトラネキサム酸を処方しない方針です。血栓症になったことがある方、ピルを服用中の方、妊娠中・産後の方も、事前に医師に相談してください。ほかに服用中の薬がある方も、診察時にお伝えください。

ビタミンCの内服は、トラネキサム酸と並んで美容皮膚科でよく処方される薬です。院長・世良は美容内服を解説した動画で「シミ治療といえばまずビタミンCは内服。」と話し、ビタミンCにトラネキサム酸などを併用することで、より効果を高めることを目指すと説明しています。

内服薬の種類・量・期間は、体質や持病によって変わります。自己判断で量を増やしたりせず、医師の指示に従ってください。

日焼け止めと「こすらない」スキンケア

紫外線と摩擦は、肝斑を濃くする要因です。施術を受けていても、日常のケアがおろそかだと効果を感じにくくなります。

  • 日焼け止めを毎日塗る:院長・世良は日焼け止めについて「摩擦や汗で落ちるんだから」と話し、患者様にはこまめな塗り直しをすすめています。室内でもUV-A(窓ガラスを通る紫外線)の対策を意識しましょう。
  • こすらない:洗顔やクレンジングは泡や指の腹でやさしく。タオルは押さえるように水気を取ります。
  • フェイスマッサージやスクラブは控える:肝斑の治療中は、摩擦や刺激の強いケアを避けましょう。
  • 保湿でバリア機能を守る:乾燥すると刺激を受けやすくなります。

院長・世良は、ニキビと色素沈着を解説した動画で、肌の老化には紫外線が大きく関わるとして日焼け止めを毎日塗るよう呼びかけ、「色素沈着も紫外線によって悪化することはあります。」とも話しています。肝斑に限らず、色味の悩みがある方にとって紫外線対策は治療の一部です。

ポテンツァプライムが向かないケースと注意点

治療を見送る・慎重に判断するケース

  • 炎症が強い時期:日焼け直後、肌荒れやかぶれがある、ニキビの炎症が強いといった時期は、治療を延期することがあります。
  • 肝斑かどうか見極めが必要なとき:老人性色素斑・ADM・炎症後色素沈着などが混ざっていると、治療法が変わります。院長・世良は、色素沈着をシミと見分けずに治療を続けても良くならないことがあると話し、その場合は刺激の強い治療を休んで内服と鎮静を優先すると説明しています。
  • 自己判断で強いケアをしているとき:ピーリング・スクラブ・美顔器の使いすぎ、市販のレチノールなどを高濃度で使っている場合は、医師に伝えてください。
  • 妊娠中・授乳中の方:施術や内服の可否は医師に相談してください。

こうしたケースでは、ポテンツァプライム以外の治療を優先したほうがよいこともあります。院長・世良は、施術を決める前の診断について次のように話しています。

世良
その肌にはポテンツァが合ってるっていうわけでもなかったら、ポテンツァは勧めない

肝斑の方も、診察ではポテンツァプライムを行うかどうかを含めて治療法を判断します。

リスク・副作用

ポテンツァプライムの施術後には、次のような反応が出ることがあります。

主な反応内容
赤み・熱感・ひりつき施術直後から出やすく、数日かけて落ち着くことが多い
腫れ部位や設定によって出ることがある
内出血針を刺すため、出ることがある
かさぶた・ざらつき針の跡が小さなかさぶたやざらつきになることがある
色素沈着炎症のあとに一時的に色が濃くなることがある。肝斑の方は特に、紫外線対策と摩擦を避けることが大切
一時的なニキビ施術後に一時的にできることがある

施術時は麻酔クリームを使用します。赤みや腫れが長引く、強い痛みがある、発熱がある、色が濃くなってきたと感じる場合は、我慢せずにクリニックへご連絡ください。施術後の経過はポテンツァのダウンタイム、赤みについてはポテンツァ後の赤みはいつまで?で詳しく解説しています。

よくある質問

ポテンツァプライムで肝斑は消えますか?

肝斑が完全に消えるとは言い切れません。ポテンツァプライムは、内服・紫外線対策・スキンケアと組み合わせて、肝斑を目立ちにくくしていくことを目指す治療です。効果には個人差があり、肝斑は季節やホルモンの影響で濃くなることもあります。

肝斑にポテンツァは何回必要ですか?

当院の施術ページでは、肝斑は5〜10回ほど継続すると効果を感じやすいとしています。間隔は4〜6週間に1回が目安です。肌の反応を見ながら、医師が回数と間隔を調整します。

トラネキサム酸を飲んでいれば、ポテンツァは必要ありませんか?

肝斑治療の基本は内服です。内服とスキンケアだけで治療を続けるのもひとつの選択です。ポテンツァプライムは、内服に加えて肌の深い層の環境にも働きかけたい方や、毛穴・肌質も一緒に整えたい方の選択肢になります。どちらが合うかは、診察で肌の状態を見て相談します。

ポテンツァで肝斑が濃くなることはありますか?

強すぎる刺激や施術後の紫外線・摩擦によって、肝斑や色素沈着が濃くなることがあります。詳しくはポテンツァで肝斑は悪化する?をご覧ください。

費用はどのくらいですか?

料金は診療メニュー&料金ページをご確認ください。回数や併用する治療によって変わるため、カウンセリングでご相談ください。

まとめ

  • 肝斑は両頬などに左右対称に出るシミで、紫外線・女性ホルモン・摩擦に加え、血管などの要素も関わっていると考えられています。
  • ポテンツァプライムのMLSチップは、2種類の高周波で表面と深い層に同時に働きかけ、「新しいシミを作らせない」と「今あるシミを排出されやすくする」を同時に行うことを目指した肝斑向けのチップです。
  • 回数は5〜10回、間隔は4〜6週間に1回が目安です。
  • トラネキサム酸などの内服、日焼け止め、こすらないスキンケアとの併用が前提です。血栓症の既往がある方、ピル服用中の方、妊娠中・産後の方、喫煙している方は事前に医師に相談してください。
  • 肝斑かどうか、ほかのシミが混ざっていないかは、医師の診察で見極めます。

ポテンツァプライムの詳しい内容や施術の流れは、ポテンツァプライムの施術ページをご覧ください。従来機を含むポテンツァ全般はポテンツァ(恵比寿)の施術ページをご覧ください。ご予約はWEB予約・公式LINE・お電話(03-5422-3607)で承っています。

この記事の監修

SERA BEAUTY CLINIC 院長 世良 融子(せら ゆうこ)
2018年 川崎医科大学卒業/川崎医科大学附属病院勤務。2020年 同附属病院 泌尿器科学 臨床助教、同年 品川美容外科入職。2021年 品川美容外科 品川本院 部長。2024年 SERA BEAUTY CLINIC 院長。
所属学会:日本美容外科学会、日本抗加齢医学会、日本泌尿器科学会
主な学会発表・講演:2022年8月 第40回日本美容皮膚科学会総会・学術大会 講演「マイクロニードルRF治療機POTENZA導入後の当院での治療実績」/2023年5月 KALDAT(韓国レーザー皮膚毛髪学会)発表・パネルディスカッション

【自由診療・未承認医療機器等について】
・当院の治療は保険適用外の自由診療です。
・本記事で紹介したポテンツァプライム(POTENZA PRIME)など、ポテンツァによる治療で用いる医薬品・医療機器は、国内において医薬品医療機器等法上の承認を受けていません。
・本記事で紹介する機器・医薬品には、ほかにも国内で未承認のものが含まれる場合があります。
・効果・ダウンタイムには個人差があり、リスク・副作用については診察時に医師が説明します。

関連ページ