ニキビ跡治療を調べていると、「CO2レーザー(炭酸ガスレーザー)」「CO2フラクショナル」「CO2レーザー+サブシジョン」といった言葉を目にすると思います。一方で当院では「CO2マイクロサブシジョン」という治療を行っています。どちらにも「CO2」が入っているため同じような治療だと思われがちですが、仕組みはまったく別物です。
この記事では、CO2レーザーがニキビ跡にどう働くのか、どんなリスクがあるのか、そして院長・世良が自身の経験からCO2レーザーをニキビ跡治療の中心に置いていない理由を解説します。
目次
- CO2レーザー(炭酸ガスレーザー)とは
- CO2レーザーのニキビ跡治療における課題
- 同じ「CO2」でも別物|CO2レーザーとCO2マイクロサブシジョンの違い
- サブシジョンとCO2マイクロサブシジョンの違い
- 当院がCO2マイクロサブシジョン+ポテンツァを選ぶ理由
- CO2レーザーとCO2マイクロサブシジョン、どう選ぶ?
CO2レーザー(炭酸ガスレーザー)とは

CO2レーザー(炭酸ガスレーザー)は、水分に吸収される波長のレーザーで皮膚組織を蒸散させる治療です。照射した部分だけをピンポイントに削れ、熱凝固作用で出血が少ないため、ほくろ、いぼ(アクロコルドン・ウイルス性いぼ・老人性角化症)、汗管腫などの除去に広く使われています。当院でもCO2レーザーはこうした用途で使用しています。
ニキビ跡治療では、クレーターの縁(エッジ)に照射して急な段差をなだらかにしたり、CO2フラクショナルレーザーとして点状に照射し、創傷治癒の過程で肌の再生を促したりする使い方があります。「CO2レーザー+サブシジョン」として、表面はレーザー、皮膚の下の癒着は針で切るサブシジョンと組み合わせる方法も見られます。
CO2レーザーのニキビ跡治療における課題

院長・世良は、美容クリニックで働き始めた頃、自身のクレーターに対してCO2フラクショナルレーザーをかなり強い出力で受けた経験があります。結果は「クレーターは少し浅くなったが、月の半分以上がダウンタイムで真っ赤に腫れ、痛みも強く、もう受けたくない」というものでした。周囲には色素沈着が残った方もいたといいます。
CO2レーザーの最大の課題は、色素沈着です。ニキビ跡治療の目的は凹凸を治すことですが、凹凸が改善しても茶色い色味が強く残り、肌がパサついて元気のない印象になってしまっては、「肌がきれいになった」とは言えません。院長は、肌全体が美しく見えるのはキメが整い、色味が均一で、桃のように柔らかい「フォギースキン」だと考えています。
また、CO2レーザーは威力が強い治療です。「効果が高いらしいから」という理由で気軽に受けるものではなく、炎症後色素沈着のリスク、肌質、ダウンタイムが取れるかを含めて慎重に判断すべき治療だと院長は話しています。
院長がこのテーマを動画で解説しています。
同じ「CO2」でも別物|CO2レーザーとCO2マイクロサブシジョンの違い


ここが最も誤解されやすい点ですが、CO2レーザーはレーザー、CO2マイクロサブシジョンはCO2ガスのジェットです。CO2レーザーは炭酸ガスレーザーによる光・熱エネルギーで組織を蒸散させるのに対し、CO2マイクロサブシジョン(当院ではトライフィルという機器で行います)は、針を刺してCO2ガスを高圧で噴射し、皮膚内部の線維化した癒着を物理的に剥離します。
さらにCO2マイクロサブシジョンには、炭酸ガスパックと同じ原理の「ボーア効果」があります。皮膚内にCO2が増えると酸素の供給が促され、肌の再生が後押しされるのです。加えて、ジェットでできた空間に薬剤(リジュラン、ジュベルック、幹細胞培養上清液など)を届けることができるため、癒着の剥離と薬剤導入を同時に行えます。
院長・世良は「CO2マイクロサブシジョンを受けている方の肌は、クレーターだけでなくツヤも良くなる。オールマイティーに効く印象」と話しています。
院長がこのテーマを動画で解説しています。
サブシジョンとCO2マイクロサブシジョンの違い

「サブシジョン」は、皮膚の下に針を入れ、クレーターを下方向に引っ張っている線維組織を物理的に切り離す古くからある治療です。院長自身も受け、大手クリニック時代には施術もしてきましたが、痛みとダウンタイムが長すぎて続かない(1ヶ月はざら)こと、硬い癒着には鈍針が入らず術者の差が出やすいことから、現在のクリニックでは行っていません。
CO2マイクロサブシジョンは、鋭い短い針を刺し、CO2のジェットで癒着を剥離するため、硬い癒着にも均一にアプローチでき、手技の差も出にくいのが特長です。アプローチする層(真皮の癒着)は同じですが、「やりやすさ」と「ダウンタイム」が異なります。院長は「個人的にはCO2マイクロサブシジョンのほうが肌がきれいになる印象」と話しています。
院長がこのテーマを動画で解説しています。
当院がCO2マイクロサブシジョン+ポテンツァを選ぶ理由



院長・世良がクリニックを開く際にまず導入したのが、トライフィルとポテンツァでした。トライフィルでCO2マイクロサブシジョンを行えば、サブシジョンの効果に加えてCO2による肌の再生と薬剤導入ができ、ダウンタイムも手技のサブシジョンより短い。さらにポテンツァを同日に組み合わせることで、高周波の止血・鎮静作用によってトライフィル単独で最長2週間ほどの赤みが5〜10日程度に短縮され、肌質も柔らかくなります。
クレーターの形・深さ・肌質は一人ひとり違うため、当院では肌診断機で状態を確認したうえで、クレーターひとつひとつに対して針の角度やCO2の量を調整しながら施術しています。「強ければ良い」のではなく、「塩梅」が大切というのが院長の考えです。
Dr.世良
【治療内容】トライフィル×キュアジェット×ポテンツァ(同日)
施術医:世良 融子(SERA BEAUTY CLINIC 院長)
@sera_beauty_clinic @dr.sera_y
症例の詳細:「1度で最大限に効果が欲しい」希望で3機器を同日施行。1回の経過で肌が滑らかに。
Dr.世良
【治療内容】トライフィル×ポテンツァ
施術医:世良 融子(SERA BEAUTY CLINIC 院長)
@sera_beauty_clinic @dr.sera_y
症例の詳細:クレーターに長年悩んでいた方。出力・深さ・RF値・塗布剤をすべて院長が調整。
CO2レーザーとCO2マイクロサブシジョン、どう選ぶ?

CO2レーザーが「悪い治療」というわけではありません。ほくろやいぼの除去では優れた治療ですし、ニキビ跡でも適切に使えば効果はあります。ただ、ニキビ跡治療においては色素沈着とダウンタイムのリスクが大きく、「凹みは浅くなったが色味とパサつきが残った」という結果になりやすい、というのが院長の見解です。
当院では、クレーターの凹凸だけでなく、肌全体のキメ・色味・柔らかさまで含めて「きれいな肌」をつくることを目標に、CO2マイクロサブシジョン(トライフィル)・キュアジェット・ポテンツァを組み合わせた治療を行っています。CO2レーザーを検討している方も、まずは自分のニキビ跡のタイプと肌質を診てもらい、どの方法が合うかを相談してみてください。
よくある質問
Q. CO2レーザーでクレーターは治りますか?
A. エッジをなだらかにしたり、フラクショナル照射で再生を促したりする効果はありますが、色素沈着やダウンタイムの長さが課題です。当院ではニキビ跡治療にはCO2マイクロサブシジョンを中心に用いています。
Q. CO2フラクショナルとCO2マイクロサブシジョンはどちらが痛いですか?
A. どちらも痛みの強い治療です。院長自身の経験では、CO2フラクショナルは「かなり痛く、ダウンタイムも長い」、トライフィルも「受けた施術の中でトップクラスに痛い」とのことです。当院では表面麻酔・笑気麻酔を基本とし、希望により神経ブロック麻酔・静脈麻酔も選択できます。
Q. 当院でCO2レーザーは受けられますか?
A. ほくろ・いぼの除去としてCO2レーザーの施術を行っています。ニキビ跡の治療としては、トライフィル・キュアジェット・ポテンツァの組み合わせをご提案しています。
Q. 以前CO2レーザーで色素沈着が残りました。治療できますか?
A. 色素沈着は内服・外用・ピーリング・エレクトロポレーション・ポテンツァなどで改善を目指せます。まずは肌診断で状態を確認させてください。
まとめ
- CO2レーザーは光・熱で組織を蒸散させる治療。ほくろ・いぼには有効だが、ニキビ跡では色素沈着とダウンタイムが課題
- CO2マイクロサブシジョン(トライフィル)はCO2ガスのジェットで癒着を剥離し、ボーア効果と薬剤導入で再生を促す別物の治療
- 手技のサブシジョンは痛み・ダウンタイム・術者差が大きく、当院では現在行っていない
- 当院はトライフィル+ポテンツァを中心に、肌全体のキメ・色味まで整えることを目標にしている
「CO2レーザーを受けるべきか迷っている」「他院でCO2フラクショナルを受けたが色味が残った」という方は、SERA BEAUTY CLINICのカウンセリングで肌の状態と選択肢をご確認ください。
この記事の監修
SERA BEAUTY CLINIC 院長 世良 融子(せら ゆうこ)
2018年 川崎医科大学卒業/川崎医科大学附属病院勤務。2020年 同附属病院 泌尿器科学 臨床助教、同年 品川美容外科入職。2021年 品川美容外科 品川本院 部長。2024年 SERA BEAUTY CLINIC 院長。
所属学会:日本美容外科学会、日本抗加齢医学会、日本泌尿器科学会
主な学会発表・講演:2022年8月 第40回日本美容皮膚科学会総会・学術大会 講演「マイクロニードルRF治療機POTENZA導入後の当院での治療実績」/2023年5月 KALDAT(韓国レーザー皮膚毛髪学会)発表・パネルディスカッション
※ニキビ跡治療は自由診療(保険適用外)です。本記事で紹介する機器・医薬品には、国内で未承認のものが含まれる場合があります。効果・ダウンタイムには個人差があり、リスク・副作用については診察時に医師が説明します。