当院のニキビ跡治療で最も多く行っているのが、トライフィルとポテンツァを同日に組み合わせる治療です。それぞれ単独でもニキビ跡に使われる機器ですが、院長・世良は「単品より組み合わせのほうが明らかに結果が良く、ダウンタイムも短い」と、自身の肌で何度も試したうえで現在の形にたどり着きました。
この記事では、トライフィルとポテンツァがそれぞれ何をする機器なのか、なぜ併用すると良いのか、順番・回数・ダウンタイムの目安、どんな肌に向いているのかを解説します。
目次
- トライフィルとは|針とCO2で癒着を剥がす「CO2マイクロサブシジョン」
- ポテンツァとは|針先から高周波と薬剤を入れる「マイクロニードルRF」
- なぜ併用するのか|水平と垂直、2方向からのアプローチ
- 併用の順番と当日の流れ
- ダウンタイム・回数・費用の考え方
- トライフィル+ポテンツァが向いている肌・向いていない肌
- 効果を最大化するために
トライフィルとは|針とCO2で癒着を剥がす「CO2マイクロサブシジョン」


トライフィルは、針の先端からCO2(二酸化炭素)を量を調整しながら噴射できる機器です。クレーターの下でカチコチに固まった線維組織をCO2ジェットの力で剥離し、同時に皮膚内に空間をつくって薬剤を届けます。これが「CO2マイクロサブシジョン」です。
さらに、皮膚内にCO2が増えると酸素の供給が促される「ボーア効果」によって肌の再構築が始まり、クレーターの改善だけでなく、肌のハリ・ツヤ・毛穴にも変化が出ます。院長・世良は「トライフィルをしている人の肌はツヤツヤになる。炭酸ガスパックに少し似た効果」と説明しています。
なお、トライフィルにはナースがカッピング(垂直方向)で行う方法もありますが、当院ではクレーターへの効果を重視し、院長がペン型で手打ちし、ボコボコした部分にCO2をしっかり入れてから薬剤を導入する方法を基本にしています。
院長がこのテーマを動画で解説しています。
ポテンツァとは|針先から高周波と薬剤を入れる「マイクロニードルRF」



ポテンツァは、針(マイクロニードル)の先端から高周波(RF)を真皮層に加え、同時に薬剤を導入できる機器です。チップの種類が多く、ニキビ跡・毛穴・肝斑・赤ら顔・たるみなど、目的に合わせて使い分けます。ニキビ跡にはCP25(針25本のポンピングチップ)などを使用し、電気抵抗値、モノポーラ/バイポーラ、針の深さ、薬剤を一人ひとりの肌に合わせて細かく調整します。
院長・世良は、大手美容外科在籍時にポテンツァの導入を提案し、多くの症例を重ねたのち、2022年8月の第40回日本美容皮膚科学会総会・学術大会で「マイクロニードルRF治療機POTENZA導入後の当院での治療実績」について講演、2023年5月には韓国のKALDAT(韓国レーザー皮膚毛髪学会)でも発表を行っています。
ポテンツァは「擦る」のではなく「当てる」治療であるため、ダーマペンのような摩擦による色素沈着が起こりにくく、適切な出力であれば色素沈着のリスクも低い、というのが院長の考えです。
なぜ併用するのか|水平と垂直、2方向からのアプローチ

トライフィルは針とCO2で「水平方向」に癒着を剥がし、ポテンツァは針先から「垂直方向」に熱と薬剤を入れます。アプローチの方向が異なる2つを同日に行うことで、癒着の剥離、CO2による再生、薬剤導入、高周波によるコラーゲン生成と肌質改善が一度に重なります。
もう一つの大きな理由がダウンタイムの軽減です。トライフィル単独では、CO2をしっかり入れる分、赤みが10日から最長2週間ほど続きます。ポテンツァの高周波には止血効果があり、トライフィルによる出血や赤みを抑えてくれるため、併用すると赤み・むくみは5〜10日程度に短くなります。院長自身が自分の肌で試したうえで、「トライフィル単独の2週間はしんどかった。ポテンツァを合わせると5日ほどになった」と話しています。
院長は「マイクロサブシジョンとニードルRFはほぼ一緒に、9割方併用している」と述べており、当院ではトライフィルとポテンツァの併用を基本の形としています。
院長がこのテーマを動画で解説しています。
Dr.世良
【治療内容】トライフィル×ポテンツァ
施術医:世良 融子(SERA BEAUTY CLINIC 院長)
@sera_beauty_clinic @dr.sera_y
症例の詳細:他院で「このクレーターはもう治らない」と言われ諦めかけていた方。3回で改善、現在はキュアジェット×ポテンツァで深いアイスピック型へアプローチ中。
併用の順番と当日の流れ

当院では、まずセラピールやハイドラジェントルで毛穴の皮脂汚れと角質を落とします。汚れが詰まったまま針を刺したり薬剤を入れたりすると効果が出にくく、後からニキビが増えることもあるためです。
麻酔は表面麻酔と笑気麻酔を基本としています。トライフィルは院長自身も「受けてきた施術の中でトップクラスに痛い」と言うほどで、痛みに敏感な方には神経ブロック麻酔や静脈麻酔も選択できます。
施術はトライフィルを先に行い、CO2と薬剤を入れたあとにポテンツァで高周波と薬剤を加えます。最後にエレクトロポレーションで美容成分を導入して鎮静し、ダウンタイムの軽減を図ります。導入する薬剤(マックーム、ジュベルック、リジュラン、エクソソームなど)やRF値、針の深さは毎回院長が肌診断の結果を見て決めています。
ダウンタイム・回数・費用の考え方

ダウンタイムは、赤みとむくみが中心です。CO2を入れる分、直後は顔がむくみますが2〜3時間ほどで引き、赤みが5〜10日程度続きます(個人差があります)。トライフィル単独の場合は最低5回が目安ですが、ポテンツァとの併用では最低3回、多くの方は5回を目安にご案内しています。
回数を重ねて肌がきれいになっていくと、ポツンポツンと残った部分的なクレーターが気になってきます。そこには、ジェット噴流で深部の癒着を剥離するキュアジェットをポテンツァと組み合わせて仕上げるのが当院の流れです。
費用は自由診療となります。当院では、価格だけで治療を選ぶのではなく、ダウンタイム・回数・ホームケアを含めた全体計画をカウンセリングでご説明したうえで決めていただいています。
Dr.世良
【治療内容】ハイドラジェントル+トライフィル×ポテンツァ+メソナJ
施術医:世良 融子(SERA BEAUTY CLINIC 院長)
@sera_beauty_clinic @dr.sera_y
症例の詳細:肌全体がクレーターでゴワついていた方。まずトライフィル×ポテンツァで肌を柔らかくし肌質が改善。部分的なクレーターは今後キュアジェット×ポテンツァ予定。
トライフィル+ポテンツァが向いている肌・向いていない肌

トライフィル+ポテンツァが特に向いているのは、顔全体にクレーターがあり、肌がゴワゴワと硬くくすんだ「焼け野原状態」の肌です。院長はこうした肌に対して「まず栄養を与えてあげる」ことを重視し、CO2と薬剤で肌を再生させ、高周波で柔らかくすることで、1ヶ月後にはツヤが変わり、その後のクレーター治療の治りも良くなると話しています。
一方、他の部分はきれいで、こめかみや頬の一部だけに深いアイスピック型のクレーターがある方には、最初からキュアジェット+ポテンツァが向いています。また、赤みや色素沈着が主体の方は、ポテンツァを中心に内服・外用を組み合わせる方が効率的です。
新しいニキビが繰り返している場合は、先にニキビ治療(必要に応じてイソトレチノイン内服)を行うか、並行して進めます。どの組み合わせが合うかは肌診断とカウンセリングで判断しますので、「トライフィルとポテンツァを受けたい」というご希望があっても、肌の状態によっては別の順番をご提案することがあります。
Dr.世良
【治療内容】トライフィル×ポテンツァ
施術医:世良 融子(SERA BEAUTY CLINIC 院長)
@sera_beauty_clinic @dr.sera_y
症例の詳細:頬のニキビ跡が目立ちにくくなった症例。薬剤・出力・打ち方を肌質に合わせて調整。
効果を最大化するために

トライフィル+ポテンツァの効果は、機器そのものよりも「どう打つか」「何を入れるか」「どう続けるか」で大きく変わります。当院では毎回、肌診断機で前回からの変化を確認し、「前回この出力・この薬剤でこう反応したから、今回はもう一歩攻める」というプランニングを院長が行っています。
また、治療後1ヶ月の間に肌が再生していく過程で、紫外線・メイク汚れ・酸化した皮脂・睡眠不足などがあると結果が出にくくなります。月1回の治療と毎日のホームケアを両輪として続けることが、最短で結果を出す方法です。
院長がこのテーマを動画で解説しています。
よくある質問
Q. トライフィルだけ、ポテンツァだけでも受けられますか?
A. 受けられますが、当院では結果とダウンタイムの両面から併用をおすすめしています。トライフィル単独は赤みが最長2週間ほど続き、回数も最低5回が目安となります。
Q. 順番はトライフィルが先ですか?
A. はい。トライフィルでCO2と薬剤を入れたあとにポテンツァで高周波を加える順番です。ポテンツァの止血効果でトライフィルの出血・赤みを抑えます。
Q. ダーマペンとの違いは何ですか?
A. ダーマペンは針で肌を「擦る」ように傷つける治療で、摩擦による色素沈着のリスクがあります。ポテンツァは「当てる」治療で、高周波と薬剤導入ができ、当院ではダーマペンは導入していません。
まとめ
- トライフィルは針+CO2ジェットで癒着を剥離し、ボーア効果と薬剤導入で再生を促す(水平方向)
- ポテンツァは針先から高周波と薬剤を入れ、肌を柔らかくし止血・鎮静する(垂直方向)
- 併用で結果が重なり、赤みのダウンタイムは約2週間→5〜10日程度に短縮
- 順番はトライフィル→ポテンツァ。前後のピーリング・エレクトロポレーションまで含めて1セット
- 最低3回、多くは5回。ゴワついた肌全体のクレーターに向き、仕上げはキュアジェット+ポテンツァ
SERA BEAUTY CLINICでは、院長がトライフィル・ポテンツァを手打ちし、毎回出力と薬剤を調整しています。ご自身の肌に合う組み合わせを知りたい方は、カウンセリングにお越しください。
この記事の監修
SERA BEAUTY CLINIC 院長 世良 融子(せら ゆうこ)
2018年 川崎医科大学卒業/川崎医科大学附属病院勤務。2020年 同附属病院 泌尿器科学 臨床助教、同年 品川美容外科入職。2021年 品川美容外科 品川本院 部長。2024年 SERA BEAUTY CLINIC 院長。
所属学会:日本美容外科学会、日本抗加齢医学会、日本泌尿器科学会
主な学会発表・講演:2022年8月 第40回日本美容皮膚科学会総会・学術大会 講演「マイクロニードルRF治療機POTENZA導入後の当院での治療実績」/2023年5月 KALDAT(韓国レーザー皮膚毛髪学会)発表・パネルディスカッション
※ニキビ跡治療は自由診療(保険適用外)です。本記事で紹介する機器・医薬品には、国内で未承認のものが含まれる場合があります。効果・ダウンタイムには個人差があり、リスク・副作用については診察時に医師が説明します。