
ポテンツァとポテンツァプライムの違いを一言でいうと、「治療設計の選択肢が増えたこと」です。 プライムでは、RF(高周波)の出し方、チップの種類、薬剤を届ける方法(Boost Mode)の3点で選べる幅が広がりました。 一方で、針を刺して真皮に熱を加えるという基本の仕組みは同じです。
この記事は、ポテンツァを検討中の方や、従来のポテンツァを受けていて「プライムに変えたほうがいいの?」と迷っている方に向けて、比較表と選び方、乗り換えの考え方を解説します。当院の施術内容はポテンツァプライム(恵比寿)の施術ページでご案内しています。
目次
- ポテンツァプライムとは?従来のポテンツァとの関係
- ポテンツァとポテンツァプライムの違い【比較表】
- 違い① RFの出し方:モノポーラとバイポーラを1ショットで
- 違い② チップの種類:絶縁針と非絶縁針
- 違い③ 薬剤導入:Boost Mode
- 違い④ 肝斑・赤み向けのチップと、針の長さの選択
- どっちを選ぶ?悩み別の考え方
- 従来のポテンツァで治療中の人は乗り換えるべき?
- 回数・痛み・リスクと副作用
- よくある質問
- まとめ
ポテンツァプライムとは?従来のポテンツァとの関係
ポテンツァプライム(POTENZA PRIME)は、マイクロニードルRFと呼ばれる治療機器「ポテンツァ」の新しい機種です。 マイクロニードルRFとは、極細の針を肌に刺し、針から高周波(RF)を流して真皮に熱を加える治療のことです。真皮は肌のハリや弾力を支える層で、熱の刺激によってコラーゲンの再構築を促すことを目指します。
従来のポテンツァも、チップを付け替えることでニキビ跡・毛穴・赤み・肝斑・たるみなど幅広い悩みに使われてきました。プライムはこの考え方を受け継ぎ、使えるチップや照射の方法を増やした機種です。
では、実際に使う医師はどこに違いを見ているのでしょうか。ニキビ跡のよくある質問に答える動画の中で、院長・世良は「目的によって変わります」と前置きしたうえで、プライムの違いを次のように説明しています。
同じ動画で院長は、肝斑・シミ・くすみ・毛穴・ニキビ跡など、目的に合わせてチップを変えていくと説明しています。「全部が強くなった」というより、「悩みに合わせて選べる道具が増えた」というのが、当院の考える違いの本質です。
当院では2026年7月にポテンツァプライムを導入しました。
ポテンツァとポテンツァプライムの違い【比較表】
| 項目 | ポテンツァ(従来機) | ポテンツァプライム |
|---|---|---|
| 基本原理 | 極細の針からRFを流し、真皮に熱を加える | 同じ(マイクロニードルRF) |
| RFの出し方 | モノポーラRFかバイポーラRFを、チップや設定に応じて選んで照射 | 対応チップでは、1ショットの中でモノポーラRF→バイポーラRFを連続照射できる |
| チップの種類 | 目的別に多数のチップがある | 新しいチップが追加。 |
| 薬剤導入 | 針で作った微細な通り道から薬剤を届ける(ドラッグデリバリー) | Boost Modeを搭載。針の出し入れを複数回行い、薬剤の通り道を増やす |
| 肝斑・赤み | チップ選択や設定で配慮して対応 | 肝斑向けのMLSチップなど、目的別チップの選択肢が広がった |
| 針の長さ | 設定で針の深さを調整 | Xチップでは針の長さが0.5・0.75・1.0mmの3段階 |
基本原理は変わっていません。 変わったのは「どの深さに、どんな熱の広がりで、どう薬剤と組み合わせて届けるか」を選ぶ幅です。
違い① RFの出し方:モノポーラとバイポーラを1ショットで
RFには、大きく分けて2つの流し方があります。
- モノポーラRF:深く、広い範囲に熱が届きやすいとされるタイプ
- バイポーラRF:近くにある2つの電極の間に電気が流れ、狙った範囲に熱を集中させやすいとされるタイプ
モノポーラかバイポーラかは、チップ・出力・針の深さ・薬剤と並ぶ、施術を組み立てる要素のひとつです。院長・世良は従来機の頃から、RFの流し方を含めた設定の組み合わせで結果が変わると話しています。
プライムで変わったのは、この組み合わせの選択肢です。対応チップを使うと1回のショットの中でモノポーラRFの後にバイポーラRFを続けて照射できます。深い層への熱と、限られた範囲への熱を組み合わせた、より細かな設計が可能になりました。 ただし、両方を使えばより良くなるとは限りません。肌の厚みや悩みの深さ、ダウンタイムの許容度によって、どちらか一方が合う場合もあります。
違い② チップの種類:絶縁針と非絶縁針

ポテンツァの針には、熱の出方が異なる2つのタイプがあります。
- 絶縁チップ:針の根元側を絶縁(電気が流れないようにコーティング)し、主に針先から熱が出るタイプ。表面への熱を抑えながら、狙った深さに熱を届けやすいとされています。
- 非絶縁チップ:針全体から熱が出るタイプ。針が刺さった範囲全体に熱が広がり、引き締めを目指す治療などで使われます。
針全体から熱が出るタイプは、プライムで新たに加わったチップのひとつです。プライムを試した院長・世良は、従来の針先から熱が出るチップとの違いと、その分の痛みについて次のように話しています。
熱が広がる分、痛みや赤みも出やすくなる傾向があります。「熱の範囲が広い=誰にでも良い」ではなく、肌の状態に合わせて選ぶことが大切です。
チップの種類について詳しくはポテンツァのチップの種類をご覧ください。
違い③ 薬剤導入:Boost Mode
Boost Mode(ブーストモード)は、プライムに搭載された薬剤導入の機能です。同じ部位で針の出し入れを複数回行い、薬剤が通る道を増やす仕組みで、当院の施術ページでは「薬剤がムラなく浸透しやすい」機能としてご紹介しています。
ただし、薬剤を届ける機能があるからといって、誰にでも薬剤導入が必要なわけではありません。院長・世良は、薬剤を入れるかどうかを肌の状態と目的で考えると話しています。
Boost Modeを使うかどうかも、こうした肌の状態や目的を踏まえて診察で判断します。 仕組みや向いている方はポテンツァプライムのBoost Mode(薬剤導入)、従来からの薬剤導入についてはポテンツァのドラッグデリバリーで解説しています。
違い④ 肝斑・赤み向けのチップと、針の長さの選択
プライムでは、肝斑向けのMLSチップ(表面と深い層に同時に働きかける2種類の高周波を1本にしたチップ)など、目的別チップの選択肢が広がりました。肝斑は刺激で濃くなることがあるため、内服・外用との併用も含めて慎重に設計します。詳しくはポテンツァプライムと肝斑(MLSチップ)をご覧ください。
赤み・赤ら顔の治療についてはポテンツァプライムと赤ら顔・酒さで解説しています。
針の長さについては、Xチップという選択肢があります。当院の施術ページでは、Xチップは針の長さを0.5mm・0.75mm・1.0mmの3段階から選べるとご案内しています。院長・世良は、Xチップの針の段階と届く層の関係を次のように説明しています。
深く入れるほど良いわけではなく、額・頬・鼻周り・フェイスラインなど部位ごとの皮膚の厚みに合わせて考えます。
どっちを選ぶ?悩み別の考え方
大切なのは、機種名ではなく「自分の悩みにどの設計が合うか」で考えることです。
| 悩み・希望 | 考え方 |
|---|---|
| ニキビ跡(クレーター) | 深さ・熱の広がり・薬剤を細かく調整したい悩み。他の治療との併用も含めて設計します |
| 毛穴・ハリ | 針全体から熱が出るチップなど、引き締めを目指す選択肢が増えました。痛み・赤みとのバランスを相談します |
| 肝斑 | MLSチップという選択肢があります。内服・外用と併用し、回数を重ねる前提で考えます |
| 赤み・赤ら顔 | 目的別チップやレーザーとの組み合わせを含めて検討します |
| ツヤ・肌の元気 | 薬剤導入の要否から検討します。ツヤが目的なら薬剤なしの選択もあります |
| ダウンタイムを抑えたい | チップや出力を控えめにする設計も含めて相談します |
この表の土台にあるのは、機種名ではなく肌質から治療を組み立てるという考え方です。チップやモードが多くて迷うという声に対して、院長・世良は次のように話しています。
当院では、すべての患者様を院長が診察し、チップ・出力・針の深さ・薬剤を一人ひとりに設計します。施術(照射)は看護師が担当します。
「プライムのほうが効果が高い」とは言い切れない理由
プライムは選択肢が増えた機種ですが、「従来機より効果が高い」と言い切ることはできません。同じ機器でも、チップ・針の深さ・出力・薬剤・ショット数によって施術の内容は変わります。どのような設定で施術するのかを、カウンセリングで医師に確認してください。
従来のポテンツァで治療中の人は乗り換えるべき?
乗り換えを考えるときも、判断の軸は機種ではなく、これまでの経過と今の悩みに合った設計かどうかです。院長・世良は、ポテンツァという機器について次のように話しています。
新しい機種に変えること自体が目的ではありません。当院の考え方は、次のとおりです。
- 経過が順調な場合:無理に変える必要はありません。これまでの設定と経過を踏まえて続けることも選択肢です。
- 変化が頭打ちに感じる場合:プライムで増えた選択肢を使って、設計を見直す余地があるかもしれません。
- 悩みが変わってきた場合:肝斑や赤みなど、目的別チップが役立つことがあります。
どの方法が合うかは診察で判断します。ニキビ跡治療の期間の考え方はニキビ跡治療の期間と回数もご参照ください。
回数・痛み・リスクと副作用
当院の施術ページでは、ポテンツァプライムは4〜6週間に1回、3〜5回が目安(肝斑・ニキビ痕は5〜10回)とご案内しています。間隔の考え方はポテンツァの回数・間隔で詳しく解説しています。 施術前には麻酔クリームを使用します。痛みについてはポテンツァの痛みと麻酔をご覧ください。
施術後には、次のような症状が出ることがあります。
- 赤み・腫れ・熱感
- 内出血・かさぶた
- 色素沈着
- ひりつき・ざらつき
- 一時的なニキビ
多くは時間の経過とともに落ち着いていきますが、経過には個人差があります。症状が長引く場合や、強い痛み・発熱がある場合は、すぐにクリニックへご連絡ください。経過の目安はポテンツァのダウンタイム、ポテンツァ後の赤みはいつまでで解説しています。

【回数】2回
【費用】ポテンツァプライム 1回132,000円(税込・顔または首)×2回
【主なリスク・副作用】赤み・腫れ・熱感・内出血・かさぶた・色素沈着・ひりつき・ざらつきなど(個人差があります)
【診察・治療設計】院長 世良融子
@dr.sera_y(院長Instagram)の症例投稿より
※自由診療です。効果には個人差があります。
よくある質問
ポテンツァとポテンツァプライムの主な違いは何ですか?
治療設計の選択肢が増えたことです。RFの出し方(モノポーラ→バイポーラの連続照射)、チップの種類、薬剤導入の方法(Boost Mode)の3点で選べる幅が広がりました。針を刺して真皮に熱を加える基本の仕組みは同じです。
ポテンツァプライムのほうが効果は高いですか?
悩みに合わせた細かな設計がしやすくなりましたが、「プライムだから効果が高い」とは言えません。チップ・針の深さ・出力・薬剤・ショット数で施術内容は変わります。効果には個人差があります。
従来のポテンツァで治療中です。途中からプライムに変えてもいいですか?
経過が順調であれば、無理に変える必要はありません。変化が頭打ちに感じる場合や悩みが変わってきた場合は、診察でご相談ください。
プライムは痛みやダウンタイムが強くなりますか?
チップや出力によって異なります。針全体から熱が出るタイプのチップは、痛みや赤みが出やすい傾向があります。ダウンタイムの許容度も含めて設計します。
料金は従来のポテンツァと違いますか?
料金は診療メニュー&料金ページをご確認ください。
まとめ
- 違いは「治療設計の選択肢が増えたこと」。基本の仕組み(マイクロニードルRF)は同じです。
- 主な違いは、RFの出し方、チップの種類(絶縁・非絶縁、MLS・Xなど)、薬剤導入(Boost Mode)です。
- 「プライムのほうが効果が高い」とは言い切れません。設定によって施術内容は変わります。
- どっちを選ぶかは、悩みとダウンタイムの許容度で考えるのがおすすめです。
- 従来機で経過が順調なら、無理に乗り換える必要はありません。
当院のポテンツァプライムの施術の流れや回数の目安は、ポテンツァプライムの施術ページでご確認いただけます。従来のポテンツァはポテンツァの施術ページをご覧ください。院長・世良がASLS TOKYO 2026で発表した内容はポテンツァプライムの初期使用経験で紹介しています。
ご予約・ご相談は、WEB予約、公式LINE、お電話(03-5422-3607)から承ります。SERA BEAUTY CLINICは恵比寿駅から徒歩すぐ、完全予約制です。
この記事の監修
SERA BEAUTY CLINIC 院長 世良 融子(せら ゆうこ)
2018年 川崎医科大学卒業/川崎医科大学附属病院勤務。2020年 同附属病院 泌尿器科学 臨床助教、同年 品川美容外科入職。2021年 品川美容外科 品川本院 部長。2024年 SERA BEAUTY CLINIC 院長。
所属学会:日本美容外科学会、日本抗加齢医学会、日本泌尿器科学会
主な学会発表・講演:2022年8月 第40回日本美容皮膚科学会総会・学術大会 講演「マイクロニードルRF治療機POTENZA導入後の当院での治療実績」/2023年5月 KALDAT(韓国レーザー皮膚毛髪学会)発表・パネルディスカッション
・当院の治療は保険適用外の自由診療です。
・本記事で紹介したポテンツァプライム(POTENZA PRIME)など、ポテンツァによる治療で用いる医薬品・医療機器は、国内において医薬品医療機器等法上の承認を受けていません。
・本記事で紹介する機器・医薬品には、ほかにも国内で未承認のものが含まれる場合があります。
・効果・ダウンタイムには個人差があり、リスク・副作用については診察時に医師が説明します。